薪割り好きやねん!かわいです!
普段薪割りをしていると薪割り斧だけではどうしても割れないモンスター級の玉やねじれの強い玉に出会うことがありますよね。
薪割り機を持っている人は何の問題もなく割ることができますが、薪割り機を持っていない人はそんなモンスター級の玉やねじれの強い玉を割るために大きな負担を要します。
薪割り斧で何度も何度も叩いているのに全然割れない…
もう割るのは諦めよう… etc…
ついには気持ちも折れてそのまま放置してお荷物となってしまうことも珍しくありません。
そんな中、割れにくい玉に立ち向かう救世主がいます!
その救世主とは楔(くさび)です。
ここでは楔についての詳細は省きますが、一般的に楔はハンマーで叩いて使用します。
もしハンマーを持っていない場合、薪割り斧の斧頭をハンマー代わりにして楔を叩いている人もいるかもしれません。
ですが一部の大型の薪割り斧を除き、ほとんどの薪割り斧では楔を叩くことはできません。
もし薪割り斧で楔を叩くと、柄から斧頭が外れたり柄が折れたりしてしまうからです。
実際に私も一度やってしまったことがあります。反省。
しかも斧頭をハンマー代わりに使える大型の薪割り斧って、とても重いんです。
私はそんな超重量級の薪割り斧を扱えるような強靭な肉体を持ち合わせていないので、楔を打つためにはやはりハンマーが必要になるのですが、
ここでも問題が…
どんなハンマーを用意したらいいの?って思いませんか?
ハンマーといっても大きさや重さ、材質など調べないといけないことだらけ。
しかも薪割り斧とは別にハンマーを用意するとなると経済的な負担もかかってきます。
ここで、欲張りな考えが浮かびます。
強靭な肉体がなくても扱えて、斧頭で楔を打つことができる薪割り斧はないのかな、と。
そんな都合のいい薪割り斧なんてあったら、即買いますよ。
もちろんありませんよね?
実はあるんです。
皆さんは、HALDER(ハルダー)という会社を知っていますか?
HALDER社はドイツでエルヴィン・ハルダーが設立し、創業後80年以上の現在では治具システムや航空関連製品の製造、そして創業時に「シンプレックス・ソフトハンマー」として特許を取得した高品質のハンマーの開発・製造をしています。
話を戻します。。。
そして、そんなHALDER社にはハンマー一体型の薪割り斧があるんです!
それは、
SIMPLEXハンマーアックス
引用元:HALDER
このHALDER SIMPLEXハンマーアックスは林業向けの製品として作られた、斧とプラスチックハンマー2つの機能を併せ持つ高品質な薪割り斧で、全重量は約2.8kgと一般的な薪割り斧とさほど変わらない重さになっています。
ハンマーと薪割り斧を別々に用意せずとも、この薪割り斧1本あれば薪割りもできて更には楔も打つこともできるなんて良いことだらけですね。
しかも斧自体が4つのパーツに分解でき、傷ついたり擦り減ったりした場合はパーツごとで交換ができるという優れた機能も持ち合わせています。
そんな多機能薪割り斧であるHALDER SIMPLEXハンマーアックスを皆さんにもっと詳しく紹介していきます。
HALDER SIMPLEXハンマーアックスってどんな斧?
引用元:HALDER
では、それぞれのパーツごとにみていきましょう。
高級な炭素鋼で作られた斧刃
HALDER SIMPLEXハンマーアックスの斧刃にはくさびリブ付き斧刃と薄型斧刃の2種類があります。
くさびリブ付き斧刃
引用元:HALDER
鍛造により硬化させ、さらに研磨・磨き仕上げをすることで薪割りの際に斧が抜けなくなるということを防ぎます。そして、くさびリブ形状をしていることによって広葉樹などの堅木を割るのに最適な斧刃となっています。
斧刃にはプラスチックのスリーブが付いており2ヶ所ある凸部分がハウジングにフィットするため、外れることなくしっかりと装着することが出来ます。
製品番号:3210.751
重さ:1070g
刃先:10cm
薄型斧刃
引用元:HALDER
鍛造により硬化させ、さらに研磨・磨き仕上げをすることで薪割りの際に斧が抜けなくなるということを防ぎます。そして、なめらかな曲線形状をしていることによって針葉樹を割るのに最適な斧刃となっています。
斧刃にはプラスチックのスリーブが付いており2ヶ所ある凸部分がSIMPLEXハウジングにフィットするため、外れることなくしっかりと装着することが出来ます
製品番号:3210.750
重さ:930g
刃先:10cm
鋳造製ハウジング
引用元:HALDER
堅牢なこの鋳造製ハウジングは耐摩耗性パウダーコーティング剤を塗っているため耐久性がとても高く、ちょっとやそっとでは破損することがありません。
加えて、誤って斧の根本で叩いてしまった場合でも保護してくれるスリーブがついていることで柄の破損を防いでくれます。
また薪割りの際の斧から伝わってくる振動も抑制してくれるため、疲労が少なく済みます。
製品番号:3011.750
重さ:990g
ヒッコリー柄
引用元:HALDER
この高品質ヒッコリーを使用した柄はとても握りやすい形状をしています。
斧として使用する時とハンマーとして使用する時では柄を180°回転させなければいけませんが、どちら側で持っても手になじむよう加工されています。
また、ヒッコリーは特別に長い繊維質な木材であり、この特質によりもしもの時でも柄が完全に破断することはありません。もし柄が完全に折れてしまえば斧頭がどこかにピューンと飛んで行ってしまうと考えると、とても怖いですね。
柄はニスで塗装されており素手で持った時でも滑りにくく、そしてヒッコリー材は薪割りの際に斧から伝わる衝撃を吸収してくれるおかげで、安全にかつ疲労も少なく薪割りをすることができます。
製品番号:3244.750
重さ:620g
長さ:68.5cm
スーパープラスティック製インサート
引用元:HALDER
この白色のプラスチック製インサートは押出し成形により材質が均一になるよう作られています。また中程度の硬度となっており、一般的なものと比べて耐摩耗性や耐久性に優れています。
製品番号:3207.050
重さ:100g
ヘッド径:50mm
以上、ここまでの説明でHALDER SIMPLEXハンマーアックスってどんな斧なのか、ざっくりとイメージがついたのではないでしょうか。
さぁ!
次は「かわい」の出番です!
今から外に出て、実際にHALDER SIMPLEXハンマーアックスで薪を割っていきましょう!
Let’s wood chopping!!
HALDER SIMPLEXハンマーアックスを使ってみた
握ってみた
柄はヒッコリーでできており、幅は約4.5cm、厚みは約3cm。
柄にはニスが塗られており滑りにくく、とても握りやすくなっています。
ハンマーとして使用するときはクルッと180°回して握りますが、前述の通りどちら向きで握ってもエンドグリップに小指がしっかりとかかる形になっており、安全に振り下ろすことができます。
グリップ部分はイエローとブラウンのツートンカラーになっているため、右手(上になる手)でどこを握ったら良いのか視覚的に判断できるのもいいですよね。
握り方の基本についてはこちらの記事をチェック
宙に浮かした状態で持ってみた
この斧の柄は620gであり、とても軽いです。
斧の全重量が約2.7kgであることを考えるとヘッド部分が斧全体の中で大きな割合を占めていることになるので、宙に浮かした状態ではとても重たく感じます。
この姿勢で1分間耐えてみようとしてみたところ、結果は、、、なんと意外なことに1分間耐えることができました。
あれっ?なんで?
なぜ耐えられたのかというと、この斧の全長は76.5cmであり一般的な斧の長さである80cmより短いことが理由だと思います。
例えば人気のある斧の中で、重さや形がよく似ているHelko スプリッティングマスター BL01という斧があります。このHelkoの斧を持ってみましたが15秒ほどでギブアップしてしまいました。
Helko スプリッティングマスター BL01は全長80cmあるのに対してHALDER SIMPLEXハンマーアックスは全長76.5cmと少し短く、柄の長さが短い方が少ない力で持つことができるので1分間耐えることができたと思います。
振り上げてみた
この斧は全長が76.5cmなので、振り上げる動作は安定感があります。
また握りやすい柄の形状とニスの塗装のおかげで手が滑ることなくスッと振り上げることができます。
振り上げた後もグラつくことなく頭上でピタッと止めることができます。
振り下ろしてみた
斧を振り下ろす時はヘッド部分の重さを利用し、薪に向かって落下させます。
ヘッド部分の重量(斧刃+インサート+ハウジング)は2.16kgあり、全重量の76%が斧の先端に集中しています。
実際に振り下ろしてみると、遠心力がかかって思っていたよりもスピードが出てしまい使い始めの数回は斧に振られる感じでした。
ですが遠心力やヘッド部分の落下スピードにはすぐに慣れてくるので、使い始めの時にはしっかりと注意していればなんて事ないのでご安心を。
初めは思わぬ落下スピードにビックリ!
薪にヒットさせてみた
直径25cmほどのコナラで試したところ、薄型斧刃、くさびリブ付き斧刃の2樹類とも、1発目では完全には割れませんでした。
もちろんどちらの斧刃であっても直径25cm程度のコナラだったら二振り目で割ることができましたが、一つ問題が発生。
薄型斧刃の場合、一振り目で刺さった刃先を引き抜くのに苦労します。
この薄型斧刃は鍛造により硬化させ、さらに研磨・磨き仕上げをしていることで挟まっても抜けやすいという特徴があり、確かに刃先が薄い形をしている他の薪割り斧よりかは抜けやすくなっていますが、この刺さった刃先を引き抜くという作業は薪割りをする中で大きな労力がかかります。
針葉樹であれば薄型斧刃でも一振りで割ることができるので、どちらの斧刃を使用するかは割る樹種によって選べばいいと思います。
針葉樹を割るならくさびリブ付き斧刃 or 薄型斧刃
HALDER ハンマーアックスを分解してみた
さて、この斧の特徴でもある斧の分解に焦点を当ててみましょう。
中央にあるボルトを外してみると、、、
こんな感じ!!
ボルトは8mmの六角レンチで回して外します。
出荷時の状態ではギチギチに締まっているので初めて外す時はとてつもなく固いです。
逆を言えば、このくらい強い力で締め込まないと外れてしまう可能性があるということなので、組み立てる時は安全のためにもこれでもか!というくらい締める(基準値:65Nm)必要があります。
でもやっぱりボルト1本だけでは各部品が外れてしまうんじゃないかと心配してしまうかもしれません。
安心してください。さすがにボルト1本だけの固定ではありません。
では、他にはどのようなものがあるのでしょうか?
ハウジングの内側を細かく見ていきましょう。
これがハウジング内部になります。
よく見ると凹凸や突起部がありますよね。
この凹凸や突起部が簡単に外れないような役割を担っています。
まずは斧刃側。
斧刃にはプラスチックのスリーブが付いており2ヶ所ある凸部分がハウジングにフィットするため、外れることなくしっかりと装着することができます。
次はインサート側。
インサートには凹凸はなくツルツルの状態です。これではすっぽ抜けてしまうのではないかと心配になってしまいますね。
このツルツルのインサートを固定するためにハウジングの内部に突起が付いています。
片側のハウジングに3個、両方合わせて合計6個の突起が付いています。
この6個の突起がインサートに食い込むことで抜けないようになっています。
最後は柄です。
柄の部分にも片側6個、合計12個の突起があります。
この12個の突起が柄にガチッと食い込むことで抜けないようになっています。
斧を振るたびに毎回衝撃を受ける柄の部分は、しっかり固定される構造になっているのですね。
まとめ
HALDER ハンマーアックスは斧とハンマー2つの機能を併せ持っており、更には各々のパーツが破損した場合は分解してそれぞれ交換することも可能になっています。
ここまで多機能型である薪割り斧は今まで出会ったことがなく、薪を割るということに関しては正直不安がありましたが、薪割りの実力もしっかりと伴っていることも分かりました。
SIMPLEX ハンマーアックス
楔を使っている方はコレで決まりですね!!
コメント